この映画は、1962年のアメリカが舞台となった実話で、アカデミー賞になった作品です。
私にはなかなかイメージが出来ていなかったのですが、この映画の中では黒人差別についての話がリアルに描かれていて、今でも続いている差別問題について日本人の私にもどういうものなのか伝わってくるように思いました。
天才黒人ピアニストのドクは南部で行う演奏ツアーについてきてくれる運転手兼ボディーガードを探していて、ナイトクラブの用心棒をしていたトニーは、ひょんなことからドクの運転手をすることとなりました。
2か月の演奏ツアーが始まったのですが、上品に礼儀正しく真面目に育ってきたドクと、細かいことに気にしないガサツなトニーではなかなか息が合わない状況でした。
ドクは黒人でありながら、白人のトニーを雇っていると状況が当時ではあり得ないことなんだと思うので、白人からも変な目で見られ、黒人からも裏切り者のような目で見られ、どちらにも付けない一人ぼっちな立場でした。
トニーは、差別があることは分かっているが、それを踏まえて気にしない。勝手に言わせておけという態度。
はじめは、正反対に見えているのですが、仕事に真面目で自分を曲げないが相手へ思いやる気持ちがあり、大人な対応が出来るふたりは何だか似ているんだと思います。
絆を深めていったふたりでしたが、トニーは気にしない性格な故に、ドクが気にしているような差別についてのことをズバズバ言ってしまい、亀裂が入ることもありました。
ですが、そのおかげでドクも言えなかった自分の気持ちを吐き出して、更に友情が深くなれました。
だんだんとトニーに引っ張られて、真面目に生きてきたドクが新しいことをやってみたり、差別されていることに我慢し、耐えるだけだった自分を壊してみたりする姿を見ていると凄く嬉しくなっていって
でも、世の中の差別は露骨でむごくて、それが常識のようになっているのが現実で未だに変えられていない悲しさもあって観ていて感情の上がり下がりが凄いです。
そして、圧倒的に差別が常識の人が多い中で、トニーは気にしない人を貫いていることが凄くかっこよくて、どんどん惹かれます!
この映画で驚いたのが、黒人差別についてはよく話題になるが、映画の中で白人の中でもイギリス人であること、田舎生まれであることをいじられたりする事でした。
そう考えると、日本人である私も都会に住んでいる人から住所を言えばバカにされるだろうし、同じ黄色人種でも中国人は頭が良いけど、日本人は平和バカと言われたり、差別なんて考えれば身近にたくさんあるのだなと思いました。
もう一つ驚いたのが、トニー・バレロンガ家の家族役をしている人々が、実際のトニーの兄弟や息子さんや奥様の家族が演じているということ!
役者ではない一般人のリアル家族の人達が家族の役をするという素敵な演出!!
なんだかリアルに空気感を感じれた気がしました。
観ていない方は是非観てみてください!!
ありがとうございました!