『あるスキャンダルの覚え書き』人間が一番怖い!感想※ネタバレ注意

映画

あらすじ

セントジョージ総合中等学校に新人教師として働きたじめたシーバ。
彼女は円満な家庭を築き、人柄も良く、ルックスも魅力的なため、教師からも生徒からも注目されていた。
シーバは、ある日をきっかけにベテラン教師バーバラと親しくなるが、2人の関係が人生を狂わせていく・・・

感想

ゾーイ・ヘラーによる小説作品を映画化したもので、監督はリチャード・エアーです。

この映画を観て、まず驚いたのがバーバラが主観で話し出したところ。

明らかにバーバラが危険人物にも関わらず、バーバラが学校の教師達のことや、シーバのことを紹介しだすことに違和感がありましたが
この紹介を聞いているだけで、バーバラの独特な性格と感覚を感じます。

ですが、この映画の更に驚いたことが、バーバラがターゲットにしていたシーバも実はただの被害者ではなかった事です。

この物語は、アメリカ合衆国で起きたメアリー・ケイ・ルトーノーの実際の事件がモデルになっています。

メアリーは望まない妊娠により、スティーヴと結婚する。
望まない結婚にも関わらず、2人の間には2男2女の子供を授かりますが
スティーヴは浮気が絶えなかったといいます

メアリーは小学校2年生の担当になった時にヴィリ・フアラアウ少年と出会います。
当時は8歳です。

それからヴィリが20代になった時に再会し、メアリーが担当となり、不倫関係になってしまいます。

メアリーとヴィリの間に子供を授かり
メアリーは逮捕

仮釈放後ヴィリとの間に2人目を妊娠
出産の数時間後に逮捕

メアリーは夫スティーヴと離婚
メアリー仮出所

ヴィリと結婚
のち、旦那となったヴィリ・フアラアウから離婚を申告され、13年の結婚生活を終える

この事件をモデルにしていると言われると、実際の事件が映画の2人の異常さを超えてしまうのですが

映画での2人に関しても

良い人で被害者かと思っていたシーバに裏切れ
私はもうシーバを心配する気持ちすら無くなりますし

実際の事件では存在しないバーバラですが
この映画でバーバラのシーバに対する感情や独占欲の異常さも怖いですし

何より、シーバは魅力的で良い人でみんなの人気者。
バーバラもクセはありますが、会社に1人は居そうな口うるさいおばさん。
という関わらなければ分からない世間に居そうな2人なだけに
人間的な恐怖を感じゾワゾワします

心霊とは違う人間的な怖さを求めるのであれば、一度観てみてはいかがでしょうか?
ありがとうございました!

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公開日:2007年6月2日
監督:リチャード・エアー
制作国:イギリス